第62回 日本生化学会 近畿支部例会
プログラム

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第62回近畿支部例会 優秀発表賞は、一般発表のポスターのうち、学部生と大学院生 が筆頭著者である演題を選考対象としました。ポスター内容を評価して、学生を除く参加者が投票していただき、第62回近畿支部例会本部で開票し、以下の5 名(敬称略)に決定しました。例会後の懇親会において、例会長から発表と表彰を行い、賞状と金一封を贈呈しました。おめでとうございます。

志田 美春(神戸薬科大学大学院・薬)(演題番号B16)
「コンドロイチン硫酸鎖の発現制御による初期軟骨分化過程の制御機構の解析」

清水 莉子(近畿大学大学院・農)(演題番号D6)
「細菌ヒスチジンキナーゼのH-boxを標的とする新規抗生物質、waldiomycin」

大山 克明(立命館大学大学院・生命科学)(演題番号A7)
「シアノバクテリア生物時計再構成系におけるKaiCの二状態変化とATPase活性」

稲荷 尚吾(同志社大学大学院・生命医科学)(演題番号B1)
「血漿セレン含有タンパク質Selenoprotein Pによる膵臓β細胞障害のメカニズム解析」

坂本 凌(立命館大学大学院・薬)(演題番号D15)
「microRNA-1270に拮抗するインターフェロンα competing endogenous RNAネットワーク」

タイムスケジュール

09:10 – 09:15 開会の辞(例会長、西澤幹雄)(ラルカディア)
09:15 – 09:55 シンポジウム第1部 講演1(伊藤誠二 先生、関西医科大学)(ラルカディア)
10:05 – 11:55 一般発表(口頭発表)(エポック立命21・ラルカディア)
12:05 – 12:35 ランチョンセミナー(宇留島隼人 先生、国立研究開発法人;アミノアップ化学主催)(ラルカディア)
12:40 – 13:10 ポスター前で自由討論(エポック立命21ホール)
13:10 – 14:10 一般発表(口頭発表)(エポック立命21・ラルカディア)
14:20 – 15:25 一般発表(ポスター発表)と高校生のポスター発表(エポック立命21ホール)
15:40 – 16:20 シンポジウム第2部 講演2(森和俊 先生、京都大学大学院)(ラルカディア)
16:20 – 17:00 シンポジウム第2部 講演3(長田重一 先生、大阪大学免疫学フロンティア研究センター)(ラルカディア)
17:00 – 17:40 シンポジウム第2部 講演4(喜多正和 先生、京都府立医科大学)(ラルカディア)
17:40 – 18:10 平成27年度日本生化学会近畿支部奨励賞の授賞式と受賞記念講演(波多野亮 先生、立命館大学)(ラルカディア)
18:30 – 20:00 懇親会(優秀発表賞の発表と表彰を含む)(ローム記念館3階ホールに変更になりました

12:00までポスター掲示(エポック立命21ホール)
17:00までポスター撤去(エポック立命21ホール)

*12:05 – 13:05に近畿支部評議員会をエポック立命21にて開催します。

プログラム概要がダウンロードできます。

会場はこちら

① バス停留所「立命館大学」:スタジアム横、ユニオンスクエア前
② 受付:エポック立命21エントランス(1階)
③ 一般講演(口頭発表):
A会場:エポック立命21 3階K309
B会場:エポック立命21 3階K310
C会場:ラルカディア2階R201
D会場:ラルカディア2階R202
E会場:ラルカディア1階R102
④ シンポジウム会場:ラルカディア1階R101(ホール)
⑤ ランチョンセミナー:ラルカディア1階R101(ホール)
⑥ 生協食堂:ユニオンスクエア
⑦ 近畿支部評議員会:エポック立命21 3階K304
⑧ ポスター発表会場(ポスター受付):エポック立命21ホール
⑨ シンポジウム講師控え室:ラルカディア 3階R301
⑩ 本部、スタッフ控え室:エポック立命21 3階K306
⑪ 懇親会会場:ローム記念館3階ホールに変更しました。当日ご案内します。

高校生ポスター発表
立命館慶祥高等学校
京都府立桃山高等学校
大阪府立天王寺高等学校
大阪府立園芸高等学校
奈良県立青翔高等学校
兵庫県立神戸高等学校

近畿支部シンポジウムの講演要旨

伊藤誠二 先生
関西医科大学
医化学講座
成熟した疼痛研究からの新しい展開
 疼痛は病院を訪れる患者の最も多い主訴であり、成人の4~5人に1人は慢性的な痛みを抱えている。なかでも、神経損傷に伴う神経障害性疼痛は痛覚伝達の 最初の中継地である脊髄後角での神経回路網の再構築や抑制性介在ニューロンの細胞死など器質的変化のため難治性と考えられてきた。1980年代に遺伝子ク ローニング技術が確立し、電位依存性Na+チャネル、グルタミン酸受容体、プロスタグランジン受容体など情報伝達に関係する遺伝子が相次いでクローニング され、遺伝子ファミリーを形成することがわかった。我々は、さまざまな遺伝子欠損マウスに神経障害性疼痛モデルを作製し、どの遺伝子が慢性疼痛に関与する か解析を行った。一連の実験結果、グルタミン酸NMDA受容体NR2Bサブユニットの1472番目のチロシン残基のリン酸化とその下流にあるCa2+カス ケードが重要であること、神経障害性疼痛は、脊髄後角の器質的変化ではなく機能的変化により生じていることを明らかにした。実際、何年も持続した神経障害 性疼痛患者の痛みが神経再生で治療されたことは難治性疼痛が非可逆的な器質的変化で持続されているのではなく、可逆的な機能的変化で持続していることを支 持するものである。現在、様々な生体因子の遺伝子改変マウスが作製され、疼痛行動に及ぼす報告がデータベース化されているが、神経障害性疼痛が難治性であ るのは、その原因が除去されないことにあると考えられる。このように成熟しつつある痛みの研究は、感覚受容における神経伝達・神経可塑的変化を分子から動 物行動の個体まで体系的に解析できるすぐれた実験系でもある。痛みの研究を通じて、遺伝子ファミリーの中のある遺伝子に埋め込まれた精巧な仕組みや機能が 解明できたことを報告する。我々が確立した坐骨神経再生モデルを用いた末梢神経再生機構の解析と二光子励起顕微鏡を用いる脊髄後角のイメージングの新しい 取組もあわせて紹介する。


森和俊 先生
京都大学 大学院理学研究科 生物科学専攻
生物物理学教室 ゲノム情報分野
小胞体ストレス応答によるタンパク質品質管理
 新規に合成された分泌タンパク質や膜タンパク質の高次構造形成が行なわれる小胞体は、これらのタンパク質が正しい立体構造をとっているかどうか峻別する 能力を有し、タンパク質の品質を管理するオルガネラとして知られている。正しく折り畳まれたタンパク質はゴルジ装置以降の分泌過程に進むことが許され、折 り畳まれていないタンパク質は小胞体に留められる。小胞体内には高次構造形成を介助・促進する分子シャペロンやフォールディング酵素(小胞体シャペロン) が多種多様に存在し、通常、新生タンパク質は効率よく折り畳まれている。一方、折り畳みに失敗したタンパク質は細胞質に引き出され、ユビキチン・プロテア ソーム系により分解される。この廃棄システムは小胞体関連分解機構Endoplasmic Reticulum-Associated Degradation (ERAD)と呼ばれている。このように、折り畳みと分解という2つの相反する仕組みによって小胞体におけるタンパク質品質管理は成立している。
 しかしながら、いわゆる小胞体ストレスと総括されている状況下で、小胞体内に高次構造の異常なタンパク質が蓄積すると小胞体ストレス応答(英語では Unfolded Protein Response; UPR)が活性化される。UPRは、小胞体ストレスを感知し小胞体膜を貫いたシグナル伝達を行うことができる小胞体膜貫通型タンパク質によって媒介され、 哺乳動物では、IRE1、PERK、ATF6というユビキタスに発現している3つのタンパク質が重要な役割を果たしている。これら3つの経路の活性化によ り、新規合成タンパク質がそれ以上小胞体内に送り込まれないように翻訳を抑制する小胞体の負荷軽減、小胞体シャペロンの転写誘導による折り畳み容量の増 強、ERAD因子の転写誘導による分解システムの活性化の3つの対応がなされ、小胞体の恒常性は維持される。それでもなお小胞体ストレスが持続する場合 は、細胞がアポトーシスを起こし排除される。多細胞生物では、小胞体ストレスによってある一定数以上の細胞が死滅し、組織としての機能を果たすことができ なくなることが、糖尿病を初めとして様々な疾患の原因となる。
 本講演では、最先端の研究成果を交えながら、小胞体ストレス応答の分子機構、進化、生理的意義ならびに疾患への関与についてお話ししたい。


長田重一 先生
大阪大学 免疫学フロンティア研究センター(IFReC)
免疫・生化学部門
細胞死と"eat me"シグナル
真核細胞の細胞膜を構成するリン脂質は外膜と内膜の間で非対称的に分布している。すなわち、フォスファチジルセリン(PtdSer) やフォスファチジルエタノールアミン(PtdEtn)は内膜に、フォスファチジルコリンやスフィンゴミエリンは主に外膜に存在する。この細胞膜の非対称性 は生命現象の種々の局面で崩壊する。例えば、細胞がアポトーシス(細胞死)を起こすとPtdSerは細胞表面に暴露され、マクロファージに対する“eat me”シグナルとして作用する。一方、血小板が活性化されるとPtdSerを暴露し、暴露されたPtdSerが血液凝固因子を活性化、血液凝固反応を進行 させる。細胞膜の非対称性の維持にはPtdSerやPtdEtnを外膜から内膜に転移させる酵素フリッパーゼ、崩壊には内膜と外膜の間でリン脂質をスクラ ンブルさせる酵素スクランブラーゼの存在が仮定されていたがその実体は長い間不明であった。私達は、8個の膜貫通領域を持つTMEM16FがCa2+に よって活性化されるスクランブラーゼ、6個の膜貫通領域を持つXkr8がカスパーゼによって活性化されるスクランブラーゼとして同定した。そして、血友病 の症状を示すヒト患者 (Scott Syndrome) がTMEM16F遺伝子に変異をもつことから、TMEM16Fは活性化された血小板でPtdSerを暴露させる分子と結論した。一方、私達は、P4-タイ プATPase であるATP11Cが細胞膜で作用するフリッパーゼであることを見いだした。この酵素はCDC50Aと呼ばれるシャペロン様タンパク質により、細胞膜に運 ばれ、ATP 依存的にPtdSerやPtdEtnを外膜から内膜へ転移させる。この分子の中央にはカスパーゼによって認識される配列が3カ所存在し、アポトーシス時に 切断・失活した。すなわち、アポトーシス時のPtdSerの暴露にはスクランブラーゼ (Xkr8) の活性化とともに、フリッパーゼの失活を必要条件とした。一方、フリッパーゼを完全に失った細胞は生きながらPtdSerを構成的に暴露、マクロファージ はその“生きた”細胞を貪食した。以上、細胞膜の非対称性を制御する酵素とアポトーシスにおけるこれら酵素の動態に関して紹介する。

【文献】
1. Segawa, K., Kurata, S., Yanagihashi, Y., Brummelkamp, T. R., Matsuda, F., and Nagata, S. (2014) Science 344, 1164-1168
2.Suzuki, J., Denning, D. P., Imanishi, E., Horvitz, H. R., and Nagata, S. (2013) Science 341, 403-406
3.Suzuki, J., Umeda, M., Sims, P. J., and Nagata, S. (2010) Nature 468, 834-838
4.Nagata, S., Hanayama, R., and Kawane, K. (2010) Cell 140, 619-630


喜多正和 先生
京都府立医科大学大学院医学研究科
実験動物センター
動物実験と生化学の深い関係:社会に貢献する動物実験
 「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」(環境省)において、「動物を科学上の利用に供することは、生命科学の進展、医療技術等の開発 等のために必要不可欠なものである。」と明記されており、「医療イノベーション5か年戦略」においても「革新的医薬品・医療機器の開発等において動物を用 いた試験実施は、極めて重要であり、医療イノベーション推進のためには、研究内容を熟知する研究開発機関の自主的管理の下、これを動物愛護の観点と科学技 術の進歩の観点の調和を図りながら、引き続き、適切に実施することが必要である。」とされている。このように、動物実験は、基礎から応用に至る学術研究の 進展や創薬等のイノベーションの推進に必要不可欠であり、人類の健康やライフサイエンス研究の進展に多大な寄与をしていることは明らかである。
 一方、1973年に制定された「動物の保護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)は、その後、環境省の所管のもとに見直され、最新の改正版が 2013年9月1日から施行されている。今回の改正においては、大学等の動物実験施設の届出制又は登録制等の規制導入は見送られ、いままで通りの自主管理 体制を継続することになった。しかしながら、動物実験に関する項目が環境省の動物愛護管理法の中にある限りは、5年毎の見直し対象項目になることは避けら れず、今後とも研究機関等における自主管理(機関管理)体制の向上が必須であることは明白である。
 このような状況を踏まえ、国動協及び公私動協の幹事会は、文部科学省の指導の下に、「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」(平成18 年文部科学省告示71号)第6第3項に定められた情報公開を更に推進するために、それぞれの協議会の会員校に対して、情報公開を積極的に実施するよう要請 している。さらに、全国医学部長病院長会議に新設された動物実験検討委員会において、同様の内容が検討され、全国医学部長病院長会議 動物実験検討委員会 委員長、国立大学法人動物実験施設協議会会長および公私立大学動物実験施設協議会会長の連名で平成25年12月12日付け「動物実験に関する情報公開の実 施について」という文章が全国の医学部を有する会員大学へ通知されている。また、「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」第6第2項にお いて、基本指針への適合性に関する自己点検・評価を実施すること、及び当該研究機関以外の者による検証を実施することに努めることが明記されているにも関 わらず、相互検証プログラムによる外部検証を受けている大学は必ずしも大多数ではなく、現状では残念ながら自主管理(機関管理)が着実に実施されていると は言い難い。なお、昨年1月に相互検証プログラムの問題点や課題を検討するため、相互検証プログラムに対する公開評価会を開催し、現在、関係者からの意見 に基づき第2期プログラムを準備中である。
 近年、「厚生労働省が所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」が平成27年2月20日に一部改正され、日本実験動物協会が平成27 年に情報公開の指針を新たに作成するとともに実験動物福祉規程を改正するなど、厚生労働省および農林水産省管轄の研究所および企業などにおいても、情報公 開や外部検証への取り組みが推進されている。また、日本生化学会の行動規範には、「動物実験においては、代替・削減・苦痛軽減の原則を遵守し、真摯な態度 でこれを行う。」と明記されており、動物実験における法令遵守が重要と考えられる。本講演では、これらの最新の情報を取り入れながら、動物愛護管理法の改 正における今後の問題点ならびに動物実験をとりまく現状と社会の動向について解説したい。


平成27年度日本生化学会近畿支部奨励賞 受賞記念講演

波多野亮 先生
立命館大学
薬学部
上皮膜輸送機能制御における細胞骨格系アダプター蛋白質エズリンの役割
 上皮組織は、様々な栄養物質を体内へと取り込むと同時に老廃物や生体異物を体外へと排出する事で生体内外の物質環境の恒常性維持に関わる重要な役割を果 たしている。トランスポーターを介した様々な物質の上皮細胞膜輸送はこの恒常性維持において重要な役割を担っており、その発現及び膜局在制御機構の解明は 生体内におけるトランスポーターの生理学的役割や疾患の発症機序の解明、標的薬物の開発などにおいて重要である。このような膜輸送体の機能や局在は足場タ ンパク質など様々なタンパク質との相互作用の上に成り立っており、それらの足場タンパク質の生理的な役割を明らかにすることが必要である。我々はそのよう な足場タンパク質の一種であるエズリンの生体内における機能について着目し、研究を進めている。エズリンはアクチン細胞骨格とトランスポーターなどの細胞 膜タンパク質や足場タンパク質とを架橋する機能を有するタンパク質であり、ERM (Ezrin- Radixin -Moesin)ファミリーに属している。遺伝子改変マウスを用いたこれまでの研究では、エズリンの欠損はより重篤な表現型を呈する事が示されている。エ ズリンは特に上皮細胞における発現が特徴的であり、胃、小腸・大腸、腎臓、肺などに存在する様々な上皮細胞において発現している。個体レベルでは、胃壁細 胞や腸管の吸収上皮細胞におけるエズリンの役割についての研究が中心になされ、その他の臓器での個体レベルでの検討は十分になされていなかった。我々は、 エズリンノックダウン(KD)マウスを用いて、他の臓器におけるエズリンの機能解析を進め、エズリンKDマウスの腎臓及び肝臓内胆管において機能的な異常 が生じている事を新たに見出している。腎臓においては、エズリンは近位尿細管細胞の頂端膜側に局在しており、これまでにもNa-リン酸共輸送体Npt2a や足場タンパク質であるNHERF1 (Na+/H+ -exchanger regulatory factor 1)の局在を制御しているものと考えられていた。エズリンKDマウスではこれらのタンパク質の頂端膜側における局在の異常と尿中へのリン酸排泄の亢進が見 られることから、エズリンがNpt2aの細胞膜局在制御を介して生体内リン酸ホメオスタシスの調節に重要な役割を担っているものと考えられた。また、血液 解析の結果、エズリンKDマウスにおいて重篤な肝機能障害が生じている事を見出した。エズリンは肝臓においては胆管細胞において特異的に発現している。胆 管は肝細胞から毛細胆管中に分泌された胆汁の流動性を調節する重要な役割を担っており、この胆管細胞においてエズリンはCl-チャネルである CFTR(Cystic fibrosis transmembrane conductance regulator)などの頂端膜側における局在を制御する事で胆管細胞のイオン分泌、とりわけCFTRによるCl-分泌を利用した二次的なHCO3-の 管腔内への分泌を制御する事で、細胞表面でのHCO3-バリア形成亢進に重要な役割を果たしているものと考えられる。以上のように、これまでの研究成果か ら、エズリンが生体内において様々な上皮細胞の頂端膜側における膜輸送体タンパク質の局在制御を担う重要な分子であると考えられた。今後個々の上皮組織に おけるエズリンの機能的・生理的役割を明らかにする事によって様々な疾患の発症機序の解明や治療法の開発に繋げていきたいと考えている。 
【文献】
1. Hatano R et al. Knockdown of ezrin causes intrahepatic cholestasis by the dysregulation of bile fluidity in the bile duct epithelium. Hepatology. in press, 2015.
2. Hatano R et al. Ezrin, a membrane cytoskeletal cross-linker, is essential for the regulation of phosphate and calcium homeostasis. Kidney Int. 83(1): 41-49, 2013


ランチョンセミナーの講演要旨

宇留島隼人 先生
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
免疫シグナルプロジェクト
日本の伝統食品であるシソの新たな可能性
〜大腸炎治療効果のエビデンス獲得に向けた研究〜
 私は鳥取大学農学部獣医学科を卒業後、臨床獣医として7年間勤務しました。ペット業界でもヒトと同様に様々なサプリメントが存在し、ペットの健康増進お よび治療を目的として使用されています。しかし、全てのサプリメントのエビデンスレベルが高いわけではなく玉石混淆で、飼い主さんに自信を持って勧められ るサプリメントが少ないという状況でした。そこでサプリメントについてもっと勉強をしよう、研究をしようと思い大阪大学大学院医学研究科の生体機能補完医 学寄附講座(現在は統合医療学寄附講座に名称変更)に入学しました。消化器外科医である伊藤壽記教授のご指導の下、腸管免疫に影響を与える食事成分を研究 することとなり、良い素材がないかと探していたところアミノアップ化学社製のシソ葉熱水抽出物(シソエキス)を学会で知りました。
 シソは東南アジア原産の一年草で、シソの葉は防腐効果を有し古来より刺身のツマとして利用されてきました。また、漢方においても健胃、鎮咳、鎮静、発 汗、利尿などを目的として、シソの葉を成分の一つとして含む柴朴湯、半夏厚朴湯、香蘇散などが処方されています。シソエキスはこれまでにマクロファージか らのTNF-α産生を抑制することや抗アレルギー作用など様々な抗炎症作用が報告されています。クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)は 厚生労働省の特定疾患に指定されている再発・寛解を繰り返す原因不明の難病ですが、腸管粘膜免疫の破綻により、TNF-α、IL-6やIL-17Aなどの 炎症性サイトカインが過剰に分泌されていることが病態の一つであると考えられています。そこでシソエキスの抗炎症作用に着目し、IBDマウスモデルである DSS誘導腸炎モデルに対するPEの安全性、有効性、およびPE成分の免疫細胞におけるサイトカイン産生に対する影響についての研究を行うこととなりまし た。
 シソエキスの投与によってDSS誘導腸炎による体重減少が軽減され、腸管粘膜の抑制性T細胞が増加し、炎症からの回復が促進されることが確認できまし た。またシソエキスの主な成分であるルテオリン、アピゲニン、ロスマリン酸のリンパ球に対する影響を検討し、ロスマリン酸、アピゲニンがリンパ球からの炎 症性サイトカイン産生を抑制すること、ロスマリン酸が抑制性T細胞の分化を促進することも確認しました。
 今回のランチョンセミナーでは、その実験結果を中心に大学院での機能性食品研究について話させていただきます。


演題(発表時間、筆頭著者、会場等)の一覧表(簡略版演題表)

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(もし誤植等がありましたら、ご連絡ください)

演題の一覧表(タイトルを含む詳細版演題表)はこちら
(もし誤植等がありましたら、至急、ご連絡ください)

座長

シンポジウム(ラルカディア1階R101):
講演1(伊藤先生)と講演3(長田先生):西澤幹雄
講演2(森先生)と講演4(喜多先生):浅野真司

一般講演(口頭発表)
A会場(エポック立命21 3階K309)
(午前)笠原賢洋、石水毅、増井良治;(午後)通山由美、中山和久
B会場(エポック立命21 3階K310)
(午前)北村佳久、芦高恵美子、藤森功;(午後)北川裕之、川嵜伸子
C会場(ラルカディア2階R201)
(午前)田中秀和、川村晃久、扇田久和;(午後)西村仁、伊藤将弘
D会場(ラルカディア2階R202)
(午前)高橋卓也、今西未来、長谷川慎;(午後)瀬尾 美鈴、木村富紀
E会場(ラルカディア1階R102)
(午前)北原亮、茶谷絵理、伊藤将弘;(午後)糸乗 前、栗原達夫

高校生ポスター発表(エポック立命21 1階ホール):
二木 史朗、栗原達夫、中山和久、瀬尾美鈴、西澤 幹雄

日本生化学会近畿支部奨励賞の授賞式と受賞者講演(ラルカディア1階R101):二木史朗

ランチョンセミナー(ラルカディア1階R101):三浦健人(株式会社アミノアップ化学)

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講演要旨集のオンライン版のダウンロードはこちら
C22の演題は取り消しになりました。
事前に講演要旨集(プリント版)を郵送されている場合には、それを会場にお持ちください。
プリント版をお持ちでない方は当日、受付でお渡しします。